死因贈与:宮城県仙台市の司法書士・行政書士による遺言ガイド

死因贈与

死因贈与とは?

死因贈与とは、その名のとおり死亡を原因とした贈与です。例えば、「私が死んだら、この車はあなたにあげます。」ということを生前にお話ししていた場合、車を死因贈与していた,と見ることができます。

死因贈与は自分の死後、財産を誰かに受け継がせる、という点で相続分野、特に遺贈と重なる部分があります。ただ、あくまでも死因贈与は契約である、という点で相続制度と違った面も持っています。以下で具体的に見てみましょう。

死因贈与と遺贈の共通点

死因贈与も遺贈も、贈与をする方が亡くなられたときに初めて効果が生じます。亡くなられるまでは、形の上からも実際上も亡くなられた方が権利を持っており、贈与を受ける方はなんの権利も持ちません。ただ、死因贈与の場合、財産をあげる方が、もらう方へ所有権が移転しているという仮登記をすることができます。

また、亡くなられた方の最後の意思を尊重するべきだ、という考えから、書面や遺言で贈与や遺贈を後から撤回できるとされることも、共通する点です。

ただし、契約に過ぎない死因贈与を、あげる側とはいえ一方の意思で撤回できるとするのは不公平では?という考えも強く、現実には撤回が認められないケースもあります。

死因贈与と遺贈の異なる点

死因贈与と遺贈が一番大きく異なる点は、死因贈与が2人の合意が必要な「契約」であるのに対して、遺贈は、遺贈をされる方のみの「単独行為」である点です。

死因贈与は契約ですので、通常通り、20歳にならないとすることができません。これに対して遺贈は、遺言が出来ればすることができますので、15歳からすることができます。

また、遺贈は遺言でする必要がありますので、条件を満たした遺言を作る必要がありますが、死因贈与は書類を作る必要すらありません。

さらに、死因贈与と遺贈では不動産を贈与する際にかかる税金が大きく異なります。

相続人に対する遺贈では、不動産の所有権移転登記をするための登録免許税が不動産価格の0.4%なのに対して、死因贈与は通常の贈与と同じように扱いますので、登録免許税は2.0%となります。

また、不動産を取得したときにかかる不動産取得税は、遺贈の場合かからないのに対して、死因贈与では課税対象となります。


このように、死因贈与と遺贈では同じ面もありますが、違う面もあります。それぞれの特徴を理解して、どのように財産を受け継がせたいかに合わせて手続を選ばなければなりません。

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