身分に関する遺言事項 : 宮城県仙台市の司法書士・行政書士による遺言ガイド

身分に関する遺言事項について

認知をする

認知とは、子供と血縁関係があると認めることをいいます。

認知がされると、認知をした親と認知された子の間で、親子関係が生じます。

法律上は父親、母親問わずに認知ができることになっていますが、母親と子供との親子関係は、出産で当然に生じると考えられていますので、認知ができるのは、事実上は父親である男性だけです。

この認知は、遺言で行うことができます。

認知がされた場合、認知をされた子が生まれた時から、認知をした親との親子関係があったことになりますので、認知をした親(=遺言者)の相続においても相続権を主張することができます。

ただし、遺言で認知をする場合、多くは新たな火種が生じてしまうことになります。

つまり、全く知らなかった人間が相続人として相続権を主張しますので、他の相続人としては、なかなか納得がいかない場合もあります。

遺言で認知をする場合には、他の相続人に十分に配慮する必要があると言えます。

これとは別に、胎児や成年(20歳以上)の子を認知する場合には、胎児の場合は母親の同意、成年の子の場合は子の同意がそれぞれ必要になりますので、あわせて注意が必要です。

未成年後見人を選任する

遺言者に未成年のお子さんがいらっしゃる場合で他に親権者がいない場合、遺言者が亡くなることで、未成年のお子さんの親権者がいなくなってしまいます。

この場合、最後の親権者である遺言者は、遺言によって未成年者の後見人(未成年後見人)を指定することができます。

複数人選ぶことのできる成年後見人と違い、未成年後見人は1人でなくてはなりません。

未成年後見人は成年被後見人などとは異なり、身辺看護や育成などの任務も負うことから、複数名にその役割を分散させるのは好ましくないからです。

このように、未成年後見人は重要な責任を負いますので、指定された側の意思も尊重しなくてはなりません。

未成年後見人に指定された者が就職を希望しないときは、いったん未成年後見開始届をしたうえで、家庭裁判所の辞任許可を得て辞職することができます。

未成年後見人監督人を選任する

未成年後見人がいる場合、その方が適切に未成年の子を監督していれば問題はありませんが、未成年後見人が自分の利益を図って、未成年の子の事をおろそかにしてしまう危険も少なからずあります。

このような場合に備えて、未成年後見人を監督する人として「未成年後見監督人」を選ぶことができます。

未成年後見人を指定することができる者は、遺言で未成年後見監督人を指定することもできます。指定は未成年後見人と同じく遺言ですることができます。

未成年後見人とともに指定することも、未成年後見人を指定せずに未成年後見監督人のみを指定することもできます。未成年後見監督人のみを指定した場合には未成年後見人を家庭裁判所が選任することになります。

未成年後見監督人は未成年後見人とは異なり、複数名置くことができます。

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