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迷惑をかけてしまった隠し子を認知したい・・・:宮城県仙台市の司法書士・行政書士による遺言ガイド

迷惑をかけてしまった隠し子を認知したい・・・

このような場面でお悩みではありませんか?

Pさん(59歳)は奥さんのQさん(48歳)とその子どものRさん(24歳)とSさん(19歳)の4人家族です。

Pさんは肝臓がんを患っており、それほど長くないことを医師から告げられていました。

実はPさんは20年ほど前に浮気をしたことがあり、その時に愛人関係にあったTさん(44歳)との間に一人の子を設けていました(Uさん(17歳))。

Uさんの出生前に、QさんにTさんとのことが発覚し、その後連絡を取っていなかったのでPさんはUさんを認知してはいません。

ですが、自分の余命がそれほどないことを知って、今まで母子家庭で苦労をかけたUさんにも、何とか報いたいと思うようになりました。

そこで、家族が争うこと無く、Uさんに財産を分けることが出来ないか、ということで相談にいらっしゃいました。

認知は遺言でもできます

第1順位で相続人になるためには、亡くなられた方の「子」であることが必要です。

母親と子どもの親子関係は、母親が出産することで当然に生じますが、父親と子の場合はそうはいきません。このような場合に、親子関係を生じさせるものが「認知」です。

認知をした場合、認知をした方とされた方の間に親子関係が生じます。無論、婚姻関係にあるものから生まれた子である「嫡出子」ではなく、非嫡出子となりますが、認知によって「子」となりますので、亡くなった方の財産を相続することができます。

認知は遺言によってもすることができます。まだ認知をしていない方に財産を渡したい場合には、認知をしておくと良いでしょう。

また、認知には役所への届出が必要ですが、遺言をされた方が亡くなってしまった後は、届出をすることも出来ません。そこで、遺言の執行者を決めておくことも必要になります。

認知された子は非嫡出子として、相続分は嫡出子の半分となります。相続分以上の財産を相続させたい場合、遺言で別途定める必要がありますが、遺言による相続は相続人の間で感情的な対立を引き起こしやすくもあります。現在の相続人に十分配慮して遺言をすることが必要となります。

一つの解決策

遺言で認知

まず、Pさんは、遺言でUさんを認知することにしました。Uさんに今まで金銭面や精神面で色々な負担をかけてきたのでは、との負い目がありましたので、Pさんはそれなりの財産をUさんに相続させたかったようです。Pさんには住まいのマンションとある程度の預金がありましたので、遺留分侵害に当たる部分を無くすように、Uさんを相続人にしたほうが良いとの判断でした。

その上で、Pさんは預金の一部をUさんに相続させるよう、遺言を残しました。

遺言執行者を選任しておく

次に、Pさんは遺言執行者を選任しておくことにしました。認知の届出をしてもらうということもそうですが、UさんとQさん達相続人の間で利害が対立し、Qさん達が財産を処分してしまうことでUさんに遺言で定めた部分が渡らないことも考えられました。そこで、遺言執行者に粛々と手続を進めてもらったほうが良いと考えました。遺言執行者の就任も依頼をいただきました。

争いにならないように…

最後に、PさんはUさんを認知し、財産を遺した理由を遺言に記しました。また、相続前にPさんは、RさんとSさんに、腹違いの兄弟がいること、相続に際しては一定の財産を与えることを話したそうです。

そのおかげもあってか、その後Pさんの相続が開始しましたが、特に相続人同士でもめることはありませんでした。Pさんも、納得のいく結果になったのではないでしょうか。

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